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静岡家庭裁判所沼津支部 昭和55年(少イ)8号 決定 1980年8月12日

被告人 Y(大○・○・○生)

主文

被告人を懲役六月に処する。

未決勾留日数中五〇日を右刑に算入する。

この裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、法定の除外事由がないのに、淫行などをする目的で、昭和五五年二月二八日ころの午前五時ころ児童であるA子(昭和○年○月○日生)を、沼津市○○町×番×号「スナツク○○」付近から自動二輪車に同乗させ、同市○○○××番地××所在「ロツジ○○」に連れ込み、同所で同衾し、更に、自動二輪車に同乗させて静岡県田方郡○○町○○字○○××番地所在「モーテル○○」に連れ込み、同所において、右児童を自己の性交類似行為や性交の相手をさせて、翌二九日正午ごろまで宿泊し、もつて児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為をしたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  被告人の司法警察員に対する昭和五五年五月二二日付、同月二九日付、同年六月五日付の各供述調書

一  A子の司法警察員に対する供述調書二通

一  B子、C子の司法巡査に対する各供述調書

一  司法警察員、司法巡査各作成の各捜査報告書

一  検察事務官作成の電話聴取書

一  司法警察員作成のモーテル○○に関する電話聴取書

一  ○○市長作成のA子に関する身上調査照会回答書

(法令の適用)

被告人の判示所為は、児童福祉法六〇条二項、三四条一項九号に該当するので、所定刑中懲役刑を選択のうえ、所定刑期の範囲内で被告人を懲役六月に処し、刑法二一条を適用して未決勾留日数のうち五〇日を右の刑に算入し、情状により刑法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から二年間右の刑の執行を猶予し、訴訟費用については、刑訴法一八一条一項本文により全部これを被告人に負担させることとする。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 中村謙二郎)

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